訪問介護の基本報酬引き下げと中小事業所の倒産・撤退危機(訪問介護クライシス)
サ高住併設の大手利益率を理由に基本報酬削減。有効求人倍率15倍の中、地域の中小事業所が過去最多倒産
施行時期: 2024年4月施行(報酬改定)
これだけ押さえる!3つのポイント
- 12024年度介護報酬改定で、訪問介護の基本報酬が2〜3%引き下げられた(身体介護・生活援助ともに引き下げ)
- 2政府は同一建物内(サ高住等)の大手事業所の平均収益率(7.3%)の高さを根拠としたが、戸建て住宅を回る地域の中小・零細事業所の収益率はマイナスに転落
- 3ホームヘルパーの有効求人倍率が15倍を超える極度な人手不足と高齢化の中、訪問介護事業所の倒産・休廃業が過去最多ペースで激増
厚生労働省の経営実態調査において訪問介護の平均収支差率が7.3%と全サービス平均(2.4%)を大きく上回っていたため、2024年度改定で訪問介護の基本報酬が引き下げられました。しかし実態は、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)などに併設され移動コストがゼロに近い大規模事業所が平均を押し上げていただけであり、一般住宅を自転車や軽自動車で1軒ずつ訪問する地域の中小・中山間地の事業所はすでに約4割が赤字でした。報酬引き下げにヘルパーの高齢化(平均年齢54歳超、4人に1人が65歳以上)とガソリン代高騰が追い打ちをかけ、2024年の訪問介護事業者の倒産件数は過去最多を更新。「在宅限界」の早期到来が社会問題化しています。
4つの主な注目ポイント
ひと目でわかる重要ポイント両論の整理(メリットと検討課題)
どちらか一方を正解と決めつけず、どんな意見や論点があるのかを市民目線でまとめました。
「移動コストのかからないサ高住併設型の大手事業所が生んでいた過大な利潤を是正し、制度の持続可能性を保つ改革だ」
「基本報酬の引き下げ幅以上に新加算Iの上乗せ率が大きいため、しっかり賃上げ要件を満たせば事業所収益は改善できる」
「サ高住併設の大手と一軒家を巡回する地域密着の事業所を同一視した改定の誤り。赤字に耐えきれず廃業に追い込まれている」
「近所の訪問介護が撤退して代わりの事業所も見つからず、週3日の掃除や入浴支援が途絶えて自宅で生活できなくなる恐怖がある」
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