福祉・司法法制審議会答申・法改正準備中---

成年後見制度の抜本見直し(後見人の交代・職務終了の柔軟化)

一度使うと死ぬまでやめられない?成年後見制度の硬直性を打破する民法改正と本人の自己決定尊重

施行時期: 2024年法制審議会諮問・2026〜2027年民法改正予定

3

これだけ押さえる!3つのポイント

  • 1
    認知症高齢者や知的・精神障害者の財産管理を支援する「成年後見制度」において、「原則として本人が死亡するまで職務が終了しない」「途中で後見人を交代できない」という現行民法の硬直性を抜本見直し
  • 2
    遺産分割協議や不動産売却など必要な目的が達成された時点で後見を終了できる「期間設定・スポット型後見」や、本人の意思・能力回復に応じた柔軟な利用終了を新設
  • 3
    後見人(弁護士・司法書士等)への過重な月額報酬負担を軽減し、本人の意思決定を最優先する国連障害者権利条約に沿った「意思決定支援」への転換を図る
政策の背景とねらい

2000年に介護保険と同時にスタートした成年後見制度ですが、認知症高齢者の増加にもかかわらず利用率は極めて低迷(約24万件程度)しています。最大の原因は「一度申し立てると原則本人が亡くなるまで解任・辞任できない」「弁護士等の後見人に月数万円の報酬を一生涯払い続けなければならない」「本人の財産処分が極度に制限される」という使い勝手の悪さでした。国連から障害者権利条約違反として勧告を受けたこともあり、法務省の法制審議会で民法改正に向けた抜本的な見直し要綱案が取りまとめられました。

4つの主な注目ポイント

ひと目でわかる重要ポイント
期間の柔軟化
スポット型・期限付き後見
限定利用を解禁(目的達成で終了)
これまで 一度頼むと本人の死亡まで継続
実家売却や遺産分割が終われば終了可能に
経済負担軽減
生涯報酬負担の大幅削減
激減(生涯数百万円の負担を回避)
毎月数万円の報酬を一生払い続ける義務
必要な期間だけの費用で気軽に使える制度へ
本人の尊厳回復
意思決定支援への理念転換
尊重(本人の望む生き方を最優先)
後見人が本人の財産処分を一律禁止
国連障害者権利条約に沿った人権重視へ
民法抜本改正へ
成年後見制度民法改正時期
2026年〜2027年の法制化予定
2000年制定の硬直的な民法後見制度
法制審議会要綱答申を経て法案提出へ

両論の整理(メリットと検討課題)

フラットに両論併記

どちらか一方を正解と決めつけず、どんな意見や論点があるのかを市民目線でまとめました。

期待・推進側の主な視点2つの視点
負担軽減・利用促進

「生涯にわたる高額な報酬支払いを回避し、真に必要な時期だけ活用可能」

人権尊重・意思決定支援

「「財産を囲い込む」後見から「本人の望む生活を実現する」支援へ進化」

期待される主な効果成年後見制度抜本改革賛成の視点
慎重・検討課題の主な視点2つの視点
高齢者虐待・横領リスク

「専門職後見人が外れた隙を突いた高齢者虐待や資産搾取の再発」

消費者被害・詐欺リスク

「判断能力が不十分なシニアが契約トラブルから守られなくなる危険」

主な検討課題・論点財産保護・親族トラブルへの懸念の視点
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